「零からの栄光」

 太平洋戦争末期、アメリカの戦闘機に全く歯の立たなかった日本空軍は、高性能・最新鋭の戦闘機「紫電改」を投入した。戦局はすでに敗色であったが、当時のアメリカ戦闘兵を震え上がらせたこの「紫電改」は、戦闘機メーカとしては、出遅れた田舎会社であった「川西航空機」(現、新明和工業)である。開発にとことんつぎ込む川西と天才肌はだの技術者集団が夢見をかけた情熱と執念は現代の企業にはない。戦後の新明和工業になってからも名機をうみだす。戦前、戦後と2度もゼロからの出発で名機をつくりだした起業家と技術者たちの自伝です。そのなかにも、戦後利益を追求した時代の流れにそぐわなくなってきた寂しさも映し出されている。

「わしの眼は十年先が見える」

地方の一紡績会社である倉敷紡績(現、クラレ)を有数の大企業に伸張させた、経営者の顔と社会から得た利益は社会に全て返すとうう慈善事業家の顔をもった大原孫三郎のはなし。ひるむことを知らず、生涯夢を見続けた孫三郎の生き方がすばらしい。

「粗にして野だが卑ではない」

三井物産で輝かしい業績をあげたあと、78才で財界人から国鉄総裁になった「石田禮助」の人物伝。
自らを「マンキー(猿)」と称し、形式や肩書きにこだわらない生き方がすばらしい。
国鉄総裁就任の際に議員を前に「君たち・・」と呼びかけた潔癖なまでに「野心も私心もない、あるのはるのは素心だけ」という言葉がこころに響く。

「打たれ強く生きる」

工事中

「もう君には頼まない」
何事もないのが最上の人生「無事是貴人」といいながらも
いつも際どい場面にいた人、石坂泰三の世界を書き下ろした小説。
一介のサラリーマン(第一生命)から社長なり、その後、労使紛争真っ只中のの東芝社長になり、争議を平定。
隠居後も経団連会長をつとめた。
気骨で「堂々として風通しのよい人」評判のエピソードとて、大臣に向かって「もう君にはたのまない」といったことがこの本の題面になっている。
一見ワンマンといわれながらも、財界と政界との癒着を極端にきらい、高度成長期の強い日本をつくった功労者といえる人です。
主人公も財界総理といわれていましたが、あの経団連の土光会長を押し出したのもこの人である